2022年は前年までの状況に比べ、各国からの旅行者が少しずつ増加し、日本から渡航される方も以前より増えてきました。
感染症流行期の観光客減少から、JSA/JASAで行っていた修復現場見学ツアーはしばらく開催できない状況が続いていましたが、先日立教大学観光学部の学生方にバイヨン寺院をご案内し、普段現場で行っている修復作業の体験をしていただくことができました。
今年度からはGWAも協力し、より多くの皆様に参加してもらえるよう、随時開催していきたいと思います。
開催したツアーでは、まずJASAオフィスのバイヨンインフォメーションセンターにて、クメール史上の各寺院遺跡を主題とした概要史、またクメール史におけるバイヨン寺院の位置づけに関して説明を行いました。
その後、実際にバイヨン寺院に移動し、JSA/JASAが行っている修復場所や修復状況をご案内し、カンボジア人修復スタッフの指導の元、実際に4つの修復作業を体験していただきました。体験していただいた修復作業は以下の4つです。
1, 石材のクリーニング作業
2, 鑿を使用した石材の加工作業
3, 破損石材の接着剤充填作業
4, 混合土の充填・締固め作業
その後、カンボジア近代史およびその中でJSA/JASAを含む各国の修復チームが国際事業として活動してきた背景をご説明し、現在までの修復例を確認しながらバイヨン寺院全体をご案内しました。
観光学を専門にされている学生の方々でしたが、実際の修復作業にも非常に意欲的に取り組んでいただきました。今後、彼らがそれぞれ活動されるであろう分野の中で、この経験が国際事業や文化財に対する考え方の一助になれば何よりに思います。
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